タイミング

私はいつからか男性の好みまで変わってしまった。少し前に、突然好きな異性のタイプの話を振られた私は咄嗟に答えが出てこず、しばらく考えた後「正直な人」と答えた。以前はもっと色々あったはずなのに、それしか思い浮かばなかった。

私の言う正直な人とは素直といった方が近いのかも知れない。自分にも他人にも嘘を付かない人の事を指していて、馬鹿正直とか、「自分に正直」という言葉を履き違えた自分に甘いだけの人とは大きく異なる。本当の自分を知り、認めることができる人です。

男女問わず、自分の弱さを隠すために虚勢を張ったり、上っ面を繕うだけの人が本当に面倒くさくなってしまった。

 

自己愛達との戦いが終わった頃、ふと今の自分の気持ちと潜在意識の仕組みは同じなんじゃないかと考えました。

例えば、母親にしろ自己愛達にしろ「もういい」という言葉を多用しますが、本当は全然よくない。私は自分自身にこの言葉をよく使っていたのでよくわかる。「もういい」の裏側は期待を裏切られたことへの失望や、思い通りにならないことへの怒りなどが含まれている。

そして彼らは態度でそれを表現するのだけど、私は完全スルーである。「もういい」と言ったからにはそれで終了だと思っている。日本人はそこで空気を読むことを求めるが、自分の意思を言葉で伝えられない人の心情を汲むスキルは要らない。

本当は「全然よくない」ことも、どうして欲しいのかもわかっている。しかし、敢えて見ないし取り合わない。ただし、こちらへの気遣いで言わない場合や、優しさ故に言えない人は察するので特に問題はありません。私は故意にそうしていますが、潜在意識は天然でわからないのです。

潜在意識は善悪の判断がつきません。「もう自分なんかどうだっていい」と心から思えば、「この人は軽く扱われるのが幸せなんだ」と素直に認識する。そして全力で願いを叶えようとする。『幸せ』になって欲しいから。こんなはずじゃなかった、というのは通用しない。

私は自分の潜在意識を役立たずだと思った事が多々ありましたが、いつだって潜在意識はちゃんと機能している。司令塔である自分のほうに問題があったのです。だから自分に嘘を付いてはいけない、「もういい」と自分の気持ちを欺いてはいけないのだと思いました。

 

先日、私にしては大きな買い物をしまして。とても新品で買えるような値段ではありませんし、新品でなくてもかなり痛い出費になる。私は潜在意識で引き寄せようとしていたのですが、どうしても欲しかったので探してもらうことにした。

すると数日後、新品同様で価格は6割強という、まだ一般に出回る前の商品が見つかりました。どこかから降って湧いてきたものでもないし、自分の腹も痛むわけですが、同じ物をその金額で買えることは滅多にないと思うので良しとする。

私がそれを欲しいと願ったのは1年と少し前。私は最初から新品じゃなくて良かったので、値が落ちるまでにこの時間を要したのだと考えている。

こじつけ気味ですが、私にとってはベストなタイミングだったんだろう。