Sさんは私の取引先に数か月前に転勤して来た方で、何度かお顔は合わせています。その日は担当者が不在でSさんが応対してくれたのですが、私を待ってくれていたSさんと目が合うなり動けなくなりました。見つめ合ったまま、周りの人も薄れて声も聞こえなくなり。スローモーションというか時間の流れが変わっていたような。そして以前もその目に会っている気がしました。
我に返り仕事をしつつ思い出したのは以前の彼Uさんの事。私はUさんの事をソウルメイトだと思っています。Uさんはスピリチュアルとかよく知らないのに浮世離れした人。彼の思いや生き方はこの世で生きるには過酷すぎるものでした。
問題のある家庭で育ち、親を赦し受け入れた彼は、ひねくれ者の私に「好き」とか「キレイだね」とか常に愛のある言葉を送ってくれました。「いいと思うコトは口に出した方がいいよ」ともよく言っていました。
彼は常に本当の愛を教えようとしてくれていたのだと今はわかります。ですが当時の私は何かを与えないと愛されないと信じて疑わなかった。彼に何も与えてあげられていないのにそんな事が許されるはずはない、そう思っていました。
最後は彼を決定的に傷付けて私たちは終わりました。この恋を最後に私は恋愛を避けています。女性としてトキメキは大事だと思うので常に恋をしていますが、誰かを本当に大切にできるようになるまでは交際には至らないでしょう。
Uさんの話はこれで終わりです。登場人物が多くなるので元彼にしようかと思いましたができませんでした。