3か月で辞めた会社の話・その2

初めに昨日の記事の”やたらに連れ歩くという行為”について補足をしておきます。

自己愛は虚栄心の塊なので優れたものが大好きです。手前味噌ではありますが、私は第一印象が良いと言われるので営業の武器になりやすい。そういう人を部下に持った自分を見せたいのがまず一つ目。

二つ目は自分の人脈や力を見せつけたい、そして賞賛され尊敬されたいということです。仕事を教えているように見せつつ、”スゴい自分”をミサワ的にアピールしてきます。

部下のお蔭で自分は褒められ、客のお蔭で自分は尊敬される。自己愛にとって新人とは、この上ない甘美さをもたらす存在なのです。

その際、自分を立ててくれるかということにも目を光らせています。あくまで自分の付属品ですので自分より目立たれては困る。優れていながら控えめ、ここがポイントです。

そこをクリアすると”今はこんなにスゴい自分だけど過去にはこういう苦労があった”などと一気に畳み掛け、同情を引いて相手の出方を見る。だいたいこういうパターンです。

 

こうしてめでたく自己愛のターゲットになった私ですが、たった1か月で事態は急変しました。

最初は喜んで私を連れ歩いていた自己愛の態度が徐々に冷たくなり、忌々しいものを見るような目つきに変わっていた。

そんな矢先、自己愛が最も尊敬する人にお会いすることになったのです。とても素敵な女性でしたが、あろうことかいきなりハグされて何か褒めるような発言をしたのでした。私は自己愛の目が怖くてよく覚えていません。

帰りの電車内で私は他の人の前でけなされて暴言を吐かれ、何とも言えない空気が流れていました。

当時の私はまだ、部下が褒められるのは自分を褒められるのと同じだと思っていて、他人もそうであると信じていたので自己愛の怒りの方向がよくわかりませんでした。恨むべきは自身の学習能力の無さですが。

 

そして次の日から私は商品を加工する作業場へ行くことになりました。