自己愛の強い人と戦う10

自己愛は社員達だけで楽しそうに話していると急に割り入って仕事の話をしたり、あからさまに不機嫌を態度に出したりと、社員同士が仲良くなるのを極端に嫌う傾向にあります。

自分が中心でないと気が済まないというのも勿論ですがそれだけではありません。

自己愛は他の誰かの悪口を吹き込むことで他人を取り込もうとします。それもほとんどが事実ではなく、例え事実であっても経緯を隠し自分に都合の良いように結果だけを誇張するといった手段を取ります。

そればかりか自分の判断ミスや伝達漏れも全てその場にいない社員のせいにし、社員達を疑心暗鬼にさせていたのでした。

洗脳とも言えるこの行為を見抜かれては困るからだと思います。

 

自己愛の操ってきたバランスが崩れた社内では、誰からともなく自己愛の虚言を暴き合い、静かに社員同士の結束を固めて行くことになるのでした。

今の会社は営業と業務に分かれています。これまで目立ったトラブルなどもない代わりに何か相容れないものもありました。それが、部署を超えてお互いの仕事を認め合い、助け合うようになったのです。

私自身も自己愛と大きな言い争いをしたあと営業に行き、たまたま遅くなってしまった私が戻るまで、業務の方が待っていてくれていた事もありました。

世の中って本当は優しい人の方が多い。なのに優しい人は見下されて利用される。だから優しくできなくなってしまうんだ。

 

優しさに優しさで返すことが出来るようになった人達には、もう上っ面の優しさなど通用しないのです。誰に何を言っても愛想笑いで交わされる自己愛は相当いたたまれなかったのでしょう。ターゲットを外部にも移し始めました。

この頃は私に対して鬼の形相で暴言を吐きまくっていましたが、私にはそれが泣き顔に見えていたのです。

欲しくて欲しくて手に入らなかったものが手に入らない時の悔しさや惨めさを凝縮したような顔を冷ややかに見つめていた。

だってその顔は少し前の私の顔と同じだから。