Iさんの話19~Nさんとの関係~

Nさん夫妻は、私の当時の恋人の事も私同様に大切にしてくれました。しかし何かのトラブル(内容は忘れました)が起こった時、私の両親は揃って恋人の肩を持ったのに対して、Nさん夫妻はとても怒っていました。

「私達は、(恋人)君も大事だと思っている。だけどそれは(私)ちゃんの恋人だからで、申し訳ないけれど(恋人)君自体を大切に思っているわけじゃない。(私)ちゃんを傷付けるなら、これからの付き合い方を考える。」と。

産みの親が正しいのか、魂の親が正しいのか判断は出来ない。ただ、Nさん夫妻が本当に私を大切に思ってくれていたのは確かだと思う。

私は4年ほどでNさんの元を去り、自己愛と戦う人生を送ってきました。でもNさん夫妻の事は思い出さないようにしていた。あまりにも身勝手すぎるし、自分が許せなくなる気がしたから。

 

私はIさんと出会って11か月が過ぎた辺りから、どこでこうなってしまったのかとずっと考えていました。親や過去の記憶を遡り、Nさんに辿り着いた。

以前「自分に価値がないと思っている人は自分を大切にしてくれる人は価値がないと思ってしまう」と書いていますが、正確には価値がわからなかったのでしょう。やはり自分がそういう気持ちを持たない限り、理解するのは難しい。 

産みの親からも条件付きの愛情しか与えられなかった私は、見返りも求めずに赤の他人を愛する人がいるということが信じられなかったんだ。

Iさんに出会わなければ、Nさんの気持ちを理解することはできなかった。

 

私はもう一度、Nさんがくれた美しい人生を生きたいと思いました。