自己愛の観察~思惑~

先日書いた自己愛との出来事は、私達の関係を更に変える事になりました。

自己愛がモラハラ全開の頃、彼にはある策があった。頭脳明晰・素晴らしい経歴を持つ人物の採用を既に決めていたのです。私を含んだ他の社員の力など、その一人でカバー出来るとさえ考えていたように思う。

明晰君の最初の仕事は外回りだった。いずれは私のポジションに就かせるつもりなのだと悟りました。何が原因か知らないが目障りな私を排除したかった、というかする予定だったのでしょう。

しかしものの数か月、業務も覚えながらなので挨拶周りも碌に済ませていない段階で外回りから降りてしまったのでした。まさかの展開。

私は明晰君とあまり関わっていないので彼の人となりは知らないけれど、他人とのコミュニケーションが苦手なのはわかる。私のポジションに頭脳はあまり必要ではなく、少々のコミュ力とある種の図太さが圧倒的に必要なのです。

「受け入れられなくて当たり前」と思えるかどうか。顧客は冷静だ。相手から見て第一印象が良く、一見受け入れたように見えても静かに観察している。他人が心を開くにはそれ相当の時間が掛かるのは当然の事です。たかが数か月で「受け入れて貰えない」と嘆くのは傲慢だと私自身は思っている。

明晰君は顧客だけでなく社内でもそう感じていたようで、他人と関わる事をあっさりと放棄してしまいました。放棄というより拒否です。自己愛の思惑から外れるにはあまりにも早すぎた。

これから更に時間が過ぎているけれど、明晰君は改善どころか悪化の一途をたどっています。私達は最初から明晰君を全く当てにしていなかったので想像より早かったという印象しかないけれど、自己愛にとっては大きすぎる誤算だったと思う。

ちなみに当てにしてないとはいえ、無視をしたり苛めたという事はありません。明晰君にとってのコミュニケーションは相手から一方的に貰えるもので、自分が歩み寄るものじゃない。それも一つの生き方だし否定はしません。価値観が違うだけ。

しかし自己愛は明晰君を雇ってしまったが為に、これまで通りの暴君でいられなくなってしまった。明晰君の人件費を他の誰かが稼がなければいけないと気が付いたのかも知れない。

自己愛の変化にはこういう理由がありました。他の社員からすると想定内だけど、強気になるのは結果が見えた後でも良かったんじゃないだろーかと思う。