劣等感の連鎖

先日、O氏を殺害した犯人が九州大学を出ているとの報道を見て思い出したことを書きます。

私が就職氷河期という言葉を知ったのは恥ずかしながら数年前です。当時働いていた高卒者ばかりの会社に、どうしたことか大卒者の面接が増えた頃が丁度その時代だったんだろう。

私のいた世界だけかも知れないけど、大卒というだけで違う世界の人のように思えた時代。さぞや仕事が出来るだろうと期待されてめでたく数人が入社しました。けれど大卒者を待っていたのは劣等感からくるイジメでした。

その中に業界大手をリストラされたという方がいました。その女性は、私より若いのに既に立派なお局の風格を漂わせた、”人生50年生きてます”ふうの小娘のターゲットになった。

説明もせず書類を渡し「処理しておいて。頭いいんだからできるでしょ?」というレベルの低いものです。当然わかる訳がありませんから「この仕事は初めてなので」という彼女に「はぁ?よくそれで(大手)が務まったよね!」と言い出す。

「システムが違うので教えていただけますか?」と教えを乞う女性に「あんた、舐めてんの?ここはもう(大手)じゃないんだよ!いつまで引き摺ってるつもり?!」と、こんな感じです。いやまだ数日ですが(汗)

彼女は大卒だという事を決して鼻にかけていたわけではなかったと思う。当時の私は大手のシステムなど当然知る由もないのだけど、今思えば業界は同じでも零細企業とは全く別の物だから、違う業界だと考えてもいいぐらいだ。

けれど劣等感の強い人間の攻撃力は半端ではない。対象の一言一句、一挙手一投足が自分を馬鹿にしているように思えるからです。そして彼女は数か月で退職し、小娘は「やっぱり大卒なんか役に立たない!」と鼻息荒く息巻いていました。そしてこれと同じようなことが男性社員の間でも起きていた。

 

 

昨日の続きになりますが、高卒以下で足並みを揃えていて、且つ学歴に劣等感を持つ集団の社員達にとって大卒は異質な存在だと認識されるのだろう。会社が大卒者を優遇していなかったとしても、そんなことは関係ないのです。

そして「大卒=仕事が出来る」という思い込みの怖さ。学歴に関係なく誰もがオールマイティなわけではありません。専門的な事はその場所でしか生かされないことが多いのに「大卒だから何でも出来る」という考え方の人が未だに根強く存在しているのも原因だと思う。

誰かに劣等感を持つ人間は常に相手の粗を探している。そして自分達よりできない部分を見つけて「大卒の”クセ”に」と一気に叩き潰す材料にするのです。こうして劣等感の連鎖は起きるのだと私は考えています。

水の違う世界に入れば武器は弱みになる。残念ながらこういう会社は少なくないのが現実。