石の話 2

石の話の続き。

そもそも8月下旬にはリングを買うお金を引き寄せていたのだから、その時にさっさと買っていればこんなことにはなっていなかったはず。でも、まだ躊躇っていたのには理由がある。

私がリングを引き寄せようと思い立ったのは、お盆の半ばだったと思う。買うお金をどこかから手に入れたいと願ったのではなくて、ただリングが私の所へやってくる事だけを想像していた。それからすぐ、リングを手にした夢を見たのですが、同時に10月○日という日付が鮮明に表れたのでした。

その日に何の意味があるのか?その時の私はあのリングが売れてしまうなんて微塵も思っていなかったので、もしかしたら増税後に価格が下がるなんてこともあるのかしら?などというセコい考えしか頭になかった。理由はともかく、その日まで待った方がいいのかどうかを迷っていたから買わなかったのです。

 

お店の方いわく、結局同じような大きさ・カットの石は見つからなかったので、ルースから作成してくれるのだそう(驚)。ルースを選んで枠を作ることは多々ある。お店の方ならデザインに合った石を発注することもあるだろう。しかし、その場合でもロット生産になるのが普通だと思うのです。

特注でもない限り、1点物のリングを再作成するのにルースをカットするなど、少なくとも素人の私は聞いたことも経験したこともない。それに今回はたまたまバイヤーさんが現地におられたから可能だっただけで、わざわざ石を買いに行くとは考えにくい。とにかくタイミングが良かったとしか。

すぐ手に入らなかったのはショックだったものの、人手に渡ってないとはいえ多くの人に触れたものより、私のためだけに作られたものの方がいいに決まってます。

今回購入した石達は希少価値の高い宝石として認識されているけれど、私にとってはパワーストーンの役割を兼ねている。その世界では、人が石を選んでいるのではなく石が人を選ぶと言います。きっと、売れてしまった石もオークションで買い損ねた石も私を選ばなかったんだと思う。

その代わりに、遠い国から私を選んでくれた(現実にはバイヤーさんが選んだんだけど)石が職人さんの手で綺麗に磨かれて、はるばる私の元まで来てくれるのだ。まだ会った事もないその石が既に愛おしくて幸せで涙が出そうになる時があります。

もう一度言いますが、こんな事は滅多にないんですよ。1点物を多く扱うお店でも、「合うルースがあればお作りします」というのが一般的だろうし、リングそのものを買い付けていた場合なら作ることさえできないのだから。本当に本当に贅沢の極みなのです。

お店の方、バイヤーさん、職人さんには感謝の言葉もありません。そして私の潜在意識も最善の結果を選んでくれました。

超有能。