Iさんの話3~蛙化現象~

Iさんと出会って4か月が過ぎた頃、少し雑談をするようになり、彼の勘の強さを確信しました。表情を読むというのか私が言葉にする前に言いたい事を察知してくれるのです。

元ACの私も人の顔色を読むのが得意なほうですが、これは時と場合と相手により良くないように思います。相手の顔色に合わせて自分を抑えてしまい、言いたい事も言えなくなってしまうからです。狡猾な人はそれを見抜き、わざと顔色を変えてコントロールしようとしますから。

相手の望むように自分を変えるというのは、無意識の保身でしかなく相手に対する愛情ではないと私は思っています。自分を犠牲にしてでも、そうすることでしか生きられない(そんなことはないのですが)と心が覚えてしまっているのです。

Iさんからはそういったものが全く見られません。ただ相手の気持ちに寄り添うもの。人間に対してとても愛情深い方だと感じました。

この頃、蛙化現象という言葉を初めて知り、モヤモヤが少し解けました。今迄の恋愛は振り向かせるまでが楽しくて、振り向いてもらうと冷めてしまう。ほしかった物も手に入れるまでが一番楽しくて、いざ手にすると途端に興味がなくなってしまうのです。単なる飽き性とは違うと薄々感じていたので。