Iさんの話4~普通の人になりたい~

Iさんと出会って5か月が過ぎましたが、立場の違いから恋愛感情を抱く対象ではなかったので異性の目で見たことはありませんでした。しかし男性にしては気遣いがとても上手で、押しつけがましくないスマートさがあって、それが作られたものではなく自然なものだということはわかりました。

類まれなる人、私にはそう思う男性が一人だけいます。その人に似ている。

 

自分がいい気分になることを実行し始めてから、笑いかけられる事がとても増えました。他人のことを考える時間も減って、いい傾向ではあるのにどうしても「どうして私だけが」という被害者意識は根強く残っていました。

私の父親は至って普通以下の人なのに家族の中ではトップでした。行くあてのない母親は不満を抱きながらも父親に従うしかありません。それが彼らなりの自分を守る術だったのだと思いますけども。そして怠け者である自分たちは向上する努力をすることもなく、子供を利用して向上しようとするのです。

しかし、その根底にあるのは被害者意識でしかありません。家族全員が自分の事を被害者だと信じて疑わない。自分は被害者なのだから、人を傷付けていてもこれくらい許されて当然、無意識にそう思っているんです。

いくら辛い目に遭ったとしても乗り越えられる人はいます。最低でも私は普通の人になりたい。強く強くそう思いました。