まだ書いていなかったと思いますが、私はアルコール依存症です。
10代後半から20代半ばまでは毎日浴びるほど飲んでいて、その後も量は減ったものの350mlを6缶程度飲み続けており、ついに体が壊れてしまいました。急激なストレスも一因だそうですが。
身体が動かなくなった時、ついに来るべき時が来たのだと思いました。大きな病気も怪我も経験のない私は、初めて自分の死を意識しました。
「死にたくない」と思わず呟いたのに自分で驚いた。生きているのがつまらないといった理由ではなくて人はいつか必ず死を迎えますから、生に執着していないつもりだったのです。
同時に「もう飲まなくて済むんだ」と安堵した気持ちもありました。飲んで忘れたいほどの悩みもないのに、止めたくても止められなかったから。
私にとってアルコールのメリットは問題から目を逸らせることでした。自分と向き合わずに済み、その場は忘れてしまうことができる。しかし所詮一時しのぎにすぎません。問題は解決しないまま、飲んでしまった後悔を紛らわすためにまたお酒が必要になるのです。
その日からアルコールを断ちましたが全く飲みたいと思いません。まるでスイッチが切り替わったように晴れやかな気分です。自分を嫌いになる材料がまた一つ減ったからでしょうか。
過度の飲酒は緩慢な自殺と言われますが、身体だけではなく心まで確実に蝕んでいきます。自分を嫌いになる生き方をして得るものは何もありません。
今の所、余命が何年というほどではありませんが、悔いのない生き方をしなければいけないと改めて感じています。