進化

自己愛が私に仕掛けた嫌がらせのせいで立場が逆転してから、気が付けば1か月以上が過ぎている。誰かが何かを言ったのか理由はわからないのだけども、とにかく私への態度は媚を売るようなものへと変化した。

しばらく様子を見ていると、それは多分怖さや焦りだと感じた。おそらく私が退職する可能性に対してだと思う。あの嫌がらせによって、全く思いがけず周囲が私の味方になったことを私はチャンスだと考えていた。

「あの一件で我慢の限界がきた」と周囲に説明すれば誰もが納得する状態だからです。私の我が儘で退職するわけではないと。いくら彼が私の悪評を広めたところで、真に受ける人は限りなく少ない状況だ。言えば言うほど自身の首を絞めることになるだろうから。

人の代わりはいくらでもいる。私が抜けても即戦力となる人材を入れればいいだけだし、いないなら自分が動けば済む話です。けれど、寿でも家庭の事情でもなく退職する理由として、長年に渡るパワハラがあったことを暴露されては大きなダメージを受けるからだろう。

私はそんな彼を冷静に見ていた。こんなのは今の会社で何回目だろうか。私は自分の事しか考えていなかったと書いたけれど、会社の売上を上げるために努力を惜しまなかったのは事実です。それだけは自信がある。

だけどやればやるほど当たり前になり、求められたことをこなせば叩かれる。そしていざ失うとなると、打って変わって焦り出すんだよな。普段見向きもしないおもちゃも、他の人には絶対に貸さない幼児と同じだ。

一番最初の経験の時、社長に「退職することを誰にも言わないで欲しい」と言われ、お世話になった顧客に挨拶もせず私は退職した。色々あったけれど、最後の奉公だと思ったから。それは今でも心残りです。もうあんな思いはしたくない。

 

その件を境に、自己愛が弱気になったのとは関係なく、私自身も大きく変わったと感じる。会社はもちろんのこと、今の仕事にも興味を失ってしまったのです。

それから暫くして、彼はふざけたことを言い出した。彼が私から取り上げた仕事は全部返ってきたわけではないのですが、今になってお願い(!)してきたのです。さっくり断りましたけど。

余程仕事が好きで、というより”仕事が好きな自分”が好きなのかも知れないですね。どっちにせよ好きなのだから、つべこべ言わずに働けばよろしい。弱音吐いてんじゃねーよ。

そして相変わらずミスも連発する。クレームとまではいかなくとも頭を下げるのは私だ。普通逆じゃなくね?それに対し自己愛は頭を下げてきた(!)。まぁ、さらっと無視しましたけど。

今の私にとって興味のない人間は物と同じなのです。自己愛にとって一番怖いのは無関心である。その時の彼の目には怯えが見えた。

私はある種の人達に、良心の呵責を感じない性質へと進化したようです。(祝)