Iさんの話36~理解不能~

Iさんが私に何かしらの特別な気持ちを持っているのは感じるけど、ただその理由がわからない。

年上だから敬っているというふうでもなく、寧ろ彼は絶対に自分の方が大人だと思っていそうだ。小さな子供をあやすように私に諭すことがあったり、何でもない時にふふっと目を細めて笑う時があったりする。かと思えば冷静さを失い、挙動不審になってみたりもする。

ずっと前は何の疑いもなく「ツインレイだから」と、そう思えていたのですが、冷静に考えると謎だらけである。彼の正直さはもちろん嬉しくても、あまりにあからさまなのも状況によりけりで、彼の立場を考えると良くないような気がしていた。

私が彼に相応しい女性ならもっと堂々としていられるのだろうけど、残念ながらそうではないので、彼が馬鹿にされたりするのが怖かったのです。

 

これまで書いていなかったのですが、私は彼の周りの女性に雑に扱われることがたまにありまして。ただ、言葉にするとこうなるだけで、気遣いの出来ない人はどこにでもいるもので、私は何も感じていませんし、もちろん怒ったりもしません。

しかしIさんはそうではありません。彼は気遣いの出来ない人が好きではなさそうだし、強すぎるほどのプロ意識に引っかかるものがあるのだと、そう思っていた。冷たさを感じるほどの彼の態度は仕事への情熱の証だとも。

だけど違ったのかも知れない。彼は怒っていたんだ。もちろん後でフォローをしているとも考えられるけれど、人を寄せ付けないほどの冷酷さを目の当たりにした。反対に私には繊細すぎるほどの優しさを与えてくれる。嬉しくないわけじゃないのに、ただ何となく怖くなりました。

このギャップが意味するものはなんだろうと、ずっと考えていますが答えは出ない。大切にされていると肯定的に捉えていいものなのかどうかもわからない。私はこれまでの人生で、こんなふうに庇ってもらったことがないんだから(庇っているのかどうかも定かでないけど)。

我慢できないのは仕方がなくて、我慢できる方が我慢しないのは悪いこと。ずっとずっとそうだったからね。自分が悪者になってでも、代わりに怒ってくれた人はいなかったなあ。

そんな事を考えていると心がバラバラになりそうです。