感染

去年の年末近くからワタシ的に生活のペースがキツくなったのと、年始からレイキだなんだと張り切りすぎたせいで体が悲鳴を上げていた。そこへ好転反応まで加わり、なんだかよくわからないスピリチュアル体験で止めを刺されて、疲労はピークに達した。11日は日記を書くのが精一杯。12日は朝起きると体が動かなくなっていたので、会社を休んでひたすら寝ていた。

13日は昼から出社し、夕方近くまで睡魔と戦う。ようやく回復の兆しが見え始めた頃、神のお試しなのか鬱病の知人からまた電話があった。再びロックオンされたっぽい。内容は相変わらず会社の愚痴。一応話は聞き、「考えても無駄」だと伝えたのだけど聞いちゃいねぇ。終わりかけたと思ったら再び先頭へ戻る。壊れてるんだな。

埒が明かない。鬱「俺が考えても仕方ないような気がする」だから何回も言ってるだろ。私「じゃあ、考えなきゃいいじゃんw」鬱「(食事の誘い後)俺と食べても愚痴ばっかりで美味しくないだろうけど」私「じゃあ、言わなきゃいいじゃんw」で閉店ガラガラした。すんません、お客さんとこ着いたんでー、構ってられないんでー。

彼は会社を良くしたい、上層部に危機感を感じて欲しい、ただそれだけなのだ。彼は昔の私。言いたいことは痛いほどわかる。だけど、経験があるからわかるというだけで、彼の気持ちを理解できているわけじゃない。そして「ただそれだけ」は彼の視点からで、今の私から見るとエゴの塊なのだ。責任感が裏目に出れば我の強さだけが強調される。

彼が発する言葉の端々には「自分をないがしろにされた」ことへの怒りが滲み出ている。それに気付かない限り彼の苦しみは終わらない。その証拠に私も彼の周りも、彼寄りの立場に立って「考えても無駄」だと言っているのに、彼からすると会社を擁護しているように聞こえるようなのです。一緒になって会社を批判すれば、「あなたが正しい」のだと言えば気が済むのだろうか。

鬱の人にこうしてはいけない、ああしてはいけない、というのがありますが、私と彼は友達ではありません。今の関係が消滅したら二度と会いたくない人だ。嫌いなわけじゃないけど、関わる必要のない人。そんな間柄で理解を求められても困る。

私はあの日まで彼からの着信に心を動かされていた。名前を見ただけで出るか出ないか一瞬躊躇する。もちろん出ない時もあった。だけどあの日、私の心は全く動かなかったのです。こうして彼のことを書いているのは心境の変化を残しておきたいだけで、彼そのものはどうでもいいと思っている。

鬱は甘えなのか、弱者なのか、それとも似非弱者なのか。それすらどうでもいいのだ。ただ思うのは、10人に一人が鬱と言われている時代、隠れ鬱や病歴のある人を入れればかなりの数になるだろう。もうそれ普通って言える域でしょ。花粉症とかインフルとかと同じ感じ。

鬱に手厚くしなければ冷たい人扱いするなんぞ、とんだお門違いである。鬱は感染る。私は今感染していない人の方が大切だ。精神的トリアージは必要だと思う。