悪影響

随分前からモヤってることがある。よく覚えているのは、子供に悪影響を与えるという理由で「コンビニのエロ本を撤去しろ」という運動だった。そんで、どこかのコンビニは撤去したんじゃなかったかな。

あれから何年か経って、近頃は「悪影響」という言葉を見ない日がない。

過激なゲームが「悪影響」を与えて凶悪犯罪に繋がるとか。お笑い番組のイジリが子供に「悪影響」を与えていじめにつながるとか。学校行かないって言い切った子供が「悪影響」を与えて真似する子が出てくるとか。

実はこれってすごいメッセージだと思う。

簡単に影響を受ける人を前提としているからだ。そこはお咎めなしで「他人のせい」にすることを暗に全肯定しているのである。これを多くの人が「正しい意見」としているところがまた怖い。

稀に本当のことを言う人がいるけど、大抵そういう人は嫌われる。自分を「正しい」と信じている人間は自分の正しさをみじんも疑わないからだ。そして理解の範疇を超えた人間を馬鹿にするという行為で精神の安定を保つ。

でもさ、真実は多くの人の目に触れないようになってるの。それを知られたら困る人間がいるからです。耳障りの良い言葉で扇動して「自分軸」を失わせるんだね。

この世は怖いよ。なかなか。