ACからの解放

”父の話”の続きです。

私の父の母親は、話を聞く限り典型的な毒親でした。しかし父は母親をとても大切にしていた。苦労をして自分を育ててくれた、愛されていたと思い込んでいたのだと思う。

だけど、その苦労は本人が引き起こしていたのです。ただ自分の思うように自由に生き、子供に尻拭いをさせた身勝手な母親だ。私ならとっくに捨てている。

  

私の母は一言で言うと狡い女の典型です。幼い頃から我が儘で、家族ですら手を焼くほどの厄介者だったらしい。母はきっと自分がそう思われていたことに気付いていた。

そんな中で唯一の見方は母の母親だけだったのです。だから母は祖母に異様なくらい執着していたのだと思う。

 

私は自分に対する親の事しか見えていなかった。なぜ自分の親は他の親と違うのかとずっと責め続けてきた。

だけど親自身が自分の人生を生きていない。それぞれが親の理想の子供になって認められたかったのじゃないかと思うのです。

きちんとした家族を持つこと、きちんとした子供に育てること。そういう姿を親に見せるのが目的だったのかも知れない。その為には自慢の子供を持つ必要があったんじゃないかとも。

 

両親が私を生んで数年育てた年齢に、私は既に達している。それでもこうして過去を引き摺り、悶々として生きているのだ。

私は子供を産むつもりはなかったし、これからもない。だけどもし産んでいたら、きっと同じ結果になっていたような気がする。

だとしても許す気にはなれないのだけど、「仕方ない」とは思える。親としてではなく個々の人間として、そうなってしまった事実を「受け入れる」ことが出来たのです。

 

やっと「終わった」のだと思った。