自分を許す

家事に関して母の存在が消えたと感じたのはとても早かった。料理を優先しているので少し掃除が疎かになることもあるのだけど、ふと自分を責めていないのに気が付いたのです。確認の為に「母みたい」と呟いてみたけど全く心が動かなかったことが不思議でした。

 

私は少し自分を許せたのだと思う。潜在意識系では「人生が上手くいかない人は自分を許していない」のは周知のことです。

「自分を許すと他人を許せるようになる」これは何となくわかる。私は自己愛のように危害を加えられない限り、他人をありのままで見れるようになりました。その結果、人間関係での悩みがなくなっているからです。

しかし自分の為に自分を許すというのがどうも理解できませんでした。例えば「家事が嫌いな自分を許す」(許せない)→「許せない自分を許す」といったふうに自分を許し続けるという方法があります。

ですが「家事が嫌いな~」の時点で拒否反応が起こってしまう。許してしまえば本当に母と同じになってしまうんじゃないか。それだけは絶対に認められないし認めたくないという気持ちが湧いてそこから進めない。自分を甘やかせばまさに母のようになるという怖さもあった。

そして「好きにならなければ」と思えば思うほど粗探しをして「ほらやっぱり」と責め立てて気力を奪っていく。つまり自分の中に責める人と責められる人が共存しているのです。1人マゾごっこ。

 

母が消えたのが先か、自分を許せたのが先か今はわからない。でも今は以前よりはるかに家事ができている。「しようと思っていたのに」と後悔することも極端に減りました。 

私が白黒思考のせいか「自分を許す」とは「しなくてもいい」と許可することだと思っていた。許すとは信頼して任せるという意味なのかも知れない。