無味無臭

昨年11月だったか「まとまったお金が入る」と書きました。その額は2百万を優に超えた。理由は書きませんが株などの類ではない不労所得です。これが引き寄せというのなら、私の中では過去最高額となる。だけど金額が確定した時も、入金を確認した時も「あ、そうなのか」という感情しか湧かなかった。

今思えば、その時既に意識は変わっていたのだ。事実その頃はお金の話ばかりを書いている。「欲しい」から「好き」に変化した矢先の出来事であり、やっぱり渇望と純粋な願いは違うんだなと思う。そしてお金を手に入れてから、更に変化は加速した。

一時的なものなのかどうなのか見極められなかったので様子を見ていたのだけど、そろそろ3か月が経とうとしている今は「欲がない」と言い切れる。2百万で私の人生は変わらない。しかし間違いなく「ある」のだと確信するには十分な額だったのだと思う。どこにあるのかと聞かれても「どっかにあるんでしょ」というアホみたいな答えしか出てこないんですけど。

うーん、ちょっと複雑です。私はお金を引き寄せて何をしたかったのか。欲しい物やしたい事、あれやこれやと願い続けてきたはずなのに、「ある」と知った時点でそれらは綺麗さっぱりなくなってしまったからだ。これが2億なら違うんだろうかとも思うけど何も浮かばない。もちろん「次は1千万を目指そう」という気にもならない。

私の趣味とも言えるお買い物は私をときめかせてくれなくなった。昨年後半にリングを買い漁ったお陰でポイントが数万円溜まっている。それで何を買おうか考えるのが楽しみだったのに、食指はピクリとも動かない。全くの無。「ある」を知った結末。残念ながら、私が欲しかったのはお金じゃなかったというオチ。仏かな。

いま私は無味無臭の生活を送っている。だけど幸せだ。渇望する人生に戻りたくはない。