理想の会社

「今の時代」の人は『給料の3倍働けば一人前』という諺をご存じでしょうか。私は17歳の時、ソウルメイトのNさんにそう教えられてから今日まで、それを常識として生きている。実際に働けるかはともかく、この諺または同じ意味合いの言葉を理解しているか、その気持ちがあるかどうかが大事だと思っています。

ほかの会社や社員はどうでもいいけど、一緒に働くとすればワタシ的にかなり重要なポイントとなる。うちの会社の人はうちの仕事が好きです。忙しい時は死ぬほど忙しいので、暇な時期はゆっくりすればいいじゃないかと思うのに、「仕事ないの?」とプレッシャーを掛けてくるくらいには仕事が好きだ。

もちろん全社員というわけではなくて、事務の女性なんかは比較的ユルい。そんなしゃかりきになられても困るし、その分給料も安いのでさして問題はなさげ。うちの会社なら業務と営業が各々自分の給料の3倍以上稼ぎ、且つ上が会社の金を私的に使い込んだりしなければ、余程のことがない限り安泰なんじゃないの?多分。

 

私は昔、今の会社をブラックだと書いた。実際、パワハラが当然のように行われていたのでブラックには違いない。だけど昔に比べれば労働環境も改善され、パワハラもなくなって、文字通りアットホームな会社へ変身しつつある今、私にとってのブラックは「有休が取れない」とかそういうことじゃないんだなって思う。更に自己愛のパワハラ気質も、一概に悪いとは言えないなって。

以前、2割の人が8割の売上を上げるといったパレートの法則(2:8の法則)について書いたことがありますが、それってホントどうなんだろうな。2割が潰れたら残り8割の給料はどうすんだ?2割の売上で8割養うって無理じゃない?もちろんリストラとかも現実味を帯びてくるし、売上の低迷が続けばそもそも存続が怪しくなるような気がしますよ。

以前の会社は私には優しくなかったけど、基本ヒトには優しい会社で企業理念も素晴らしかった。だから私はその会社で働くことを誇りに感じていたのだ。しかし今は超絶ブラックだったと思っている。自称弱者を養う自分に心酔し、パレートの法則まで持ち出してきて部下に強要する上司なんぞ立派なパワハラだよ。嫌われたくなかっただけのくせに。

今の会社は…ないな。自分の給料すら稼げない人は去るしかない。私が口を出すまでもなく自然とそうなっているけども、社内の雰囲気なんでしょうかね。ほどほどにメンタルが強く、ほどほどに会社の金を稼げる人しか生き残れないという圧。だけど私はこの環境を有難いと思っています。散々愚痴ってきた会社は、今や理想の会社と化している。

 

「がんばるな、ニッポン」が話題になってますけど。

「がんばらない」って実はとても難易度の高い言葉である。当たり前だけど、嫌なことは全部放棄していい、他人に任せておけばいいってことじゃないですよ。自分で取捨選択しつつ、生産性を向上させること。決して、いま結果を出していない人が「頑張らなくていいよね」と逃げるための言葉ではないのです。ハードル、上がってるんですよ。

それは「結果は出せなかったけど頑張った」といった免罪符が通用しなくなる時代が来ることを意味するのかもしれない。かろうじて「頑張りました」で済まされている今を、「あの時代は良かった」と恨み節に似たなつかしさを感じる時が来るのだろうか。

二極化は進む。