烙印

あー、もうダメだな。最近、「それは明らかにアナタの責任でしょ」と口に出したくなることがあって。出先から帰ってきて事務の内輪で起こった愚痴なんて聞きたくない。猛烈な違和感を感じる。「女の敵は女」って言うけど、あれホントなんじゃないですかね。

私は長年、男性の下で働いている。ワタシ地域の同業者も皆男性です。今の環境は女性ってことでわりと優遇されてますが、傍目からみて「女性には過酷じゃない?」ってことも当然あります。そういう時、女性から「女性なのに」と同情されることに心底ムカついたりする。それ関係ないでしょ。

『男性と同じ仕事をしながらも、男性と同じ条件では働けない』これについては前の会社を去る時に諦めました。諦めたというより私の力不足なんで。私は男性に勝ちたいわけではないし、体力や腕力では絶対に敵わないからしょうがないのである。私にとってそれよりも害悪なのは、男性優位の社会ではなく悪い意味の女社会なのだと思う今日この頃。

男性と同じような仕事をして、男性と同じようなポジションにいても女は女。否が応でも女社会に巻き込まれる。たとえばさ、外から帰ってきた男性営業マンにいきなり会社の愚痴とか言わないよね。ほとんどの女性が”なぜか”男性に対しては気を遣うというか線を引いてると思う。

現にウチの会社でも業務の男性に愚痴を聞いてもらう時なんか「疲れてるところごめんなさい」的な前置きが入る。私だって疲れてんのよ(呆)。そりゃあね、業務の男性と私とでは疲れ具合は全然違うけどさ、そういう問題じゃなくない?女性は女性によって女性らしさを求められている、と痛感する瞬間。

その女性らしさって「共感」とかいうやつなんだけど。「女性は女性に共感して当たり前」という謎の、絶対的な常識があって、そこから外れた女は「冷たい」という烙印を押される。だから私なりにイチ社会人として、表面上は目一杯取り繕っているのだ。疲れた顔も見せず、にこやかに、ただ「共感」する。

…私なんでこんなことやってんのかな。「くだらねー!」って叫びたい。流石に今日はちょっと漏れちゃったかも。そのあと、なんか不機嫌になられたりして、すごく迷惑でした。あくまで『女社会の常識』を頑なに守り続ける方々を対象にした心の叫びなんですけどね。久々に会社辞めたくなったわ。

「男性と同じ仕事をしてる」と認める傍らで、女社会に引き摺りこもうとする神経がよくわからない。ただこういうことを言うと、確実に『名誉男性』とか言われてしまうのだろう。ちなみに名誉男性とは「フェミニズムに協力せずに男に味方する裏切り者の女性」という意味であるらしい。協力?味方?裏切り?なんだそれ。

そういうとこだぞ。