孤独と奴隷

孤独は人を蝕むらしい。

なんとなくわからなくもないが。かつての自分もそうだったのだろうから。

あの頃、というか。長い間ずっと、私は誰といても孤独だった。

でも今は孤独かどうかなんて考えることもない。

孤独というのは、他人及び自分への強い執着がないと感じられないものなんだと思う。

私は孤独に陥らないための虚しい努力より、自分を含めた人間への執着を捨てる努力を選んだ。そして今に至る。

だから通り一辺倒に「孤独は悪」とみなす考え方に同意はできない。

 

やたらと、あるワードが目に付く時ってある。

今は『奴隷』という言葉なのですが。

ユダヤ教は金銭や肉欲を悪とみなさない。神が創ったものが悪いものであるはずがないという思想らしい。ただ、良いものにする人間と悪いものにする人間がいる、と。

なんにせよ悪い意味での執着は、対象の奴隷になっている状態なのだ。

その対象を纏めると「欲」になるのだろう。

「欲」の奴隷になれば悪、「欲」を支配すれば善に向かうってだけなんじゃないのかな。