Iさんの話21~波長の変化~

友人が亡くなってから数日後、Iさんに会いました。

その日のIさんは、ほとんど笑うことがなかったような気がします。そして帰り際に長期の出張が決まったのだと言われました。最低でも4か月位になるそうです。

しばらくしたらIさんに会えなくなってしまう。いつかはこういう日が来るとわかっていたからか、気持ちが追いついていなかったからか、ただぼんやりと話を聞いていた。

 

 

私がソウルメイトのNさんと離れた後に関わってきた人は、何かしら問題を抱えている人がほとんどでした。20代半ばで自分が「ACなのかも知れない」と疑い始め、僅かながら成長する度に人との別れが来るのです。

それは、波長の合わない人と一緒にはいられなくなるからです。波長が変わると、恋人でも友人でも何かが噛み合わなくなる。お互いに必要のない存在になるというか。縁があれば、また波長が合った時に引き合うようになりますから。

 

そうして生きてきた私には昔からの友人と呼べる人が少ない。私の家庭環境や性格を理解してくれる友人が数人だけいます。一人は数か月前に転職によって環境が変わり、会うことが難しくなっていた。

そしてもう一人はIさんから出張の話を聞いた後、諸事情により地元を離れることになったのです。縁が切れることはないにせよ、もうこれまでのように皆で集まる事はなくなってしまう。

 

もう何がなんだかわからなくなっていました。思いもよらないことが重なると人間は思考が停止するし、感情がなくなると”無”になるんだと初めて知った。

会社に行って仕事をして普通に生活しているのに、自分ではない誰かが動いてくれている気分。

このブログを書いている時だけは現実から目を背けられていた。