Iさんの話31~諦めようか~

過去記事と重複するかも知れませんが、Iさんとこれまで好きになった人との違いを書きます。

私はIさんにあまりドキドキしたりすることはありません。そして「彼は今何をしているのか」とか「彼女はいるのか」とか、そういったことも考えない。ただお仕事の場は見ているので、「辛くないかな」と心配になったり「頑張っているんだろうな」とは思います。

それから、これまで好きな人の名前と同じ人名や看板をよく見かけたり、誕生日を知っている人はその数字を見かけたりというシンクロは多々ありました。脳は自分に興味のあるものを無意識にサーチするので目に入りやすいというだけのことなのでしょうが、Iさんに至っては悲しいほど1度もありません。

もう1つの大きな違い。好きな人が出来た場合は誰しも相手との未来を想像したことがあるんじゃないかと思う。好きなお相手とあんな所へ行きたい、こんなことがしたいといった、良く言えばイメージングで悪く言えばただの妄想なのですが。

前の彼とはすれ違いが多くてなかなか会えなかったので、寝ても覚めても彼の事を考えていた。潜在意識に執着していた時でしたから、妄想と現実のギャップにその都度浮かれては落ちるの繰り返し。その結果、待つことにも考えることにも疲れ果ててしまいました。

Iさんに対しては、好きになり始めた頃は色々考えた時もあるような気がするのですが、時間が経つにつれて想像ができなくなっていきました。彼との将来のビジョンが全く浮かばない。果たして、これは恋と言えるんだろうか。

 

先日、久し振りにIさんに会ったのですが、その前からふとこうした事を考え始めてしまいまして。

私に変わるきっかけを与えてくれた人は間違いなくIさんで、Iさんがいたからここまで来れたのも事実。そして会う回数が少なくなってからは、会う度に何かしらの出来事が起きて、それに伴い自分の中で大きな変化が見られる。私はいつからか、この変化のほうを待っているような気がしないでもない。

Iさんの事は好きですし、愛もあると思う。だけど、これまでの恋愛感情とかけ離れすぎて、彼は恋愛対象というよりメンターといった方が近いのではないかと、何となくそんな気がした。

メンターとはざっくりいうと「人生を導いてくれた人」です。人生の師匠に当たる人。私はソウルメイトのNさんもそうだと考えています。だけど、もしIさんがそうだとしたら恋愛とは違うんじゃないかなって。

私はもちろん、これからも変わり続けたいと思っている。けれど最初に書いていた「普通の人」になりたいという願いはもうありません。普通になれたのかどうかはわかりませんが、それについてはこの辺でいいと納得しているから。

何故こんな事を考え始めたかというと、なんだか急に恋がしてみたくなったのです。私はこれまで依存という歪な恋愛が殆どだった。誰にも依存しない今の自分で恋愛がしたい。試してみたくなったという言い方のほうが近いかもだけど。

だけど。Iさんとの間には乗り越えなければいけない試練がありすぎるし、そもそも彼が私を好きかどうかもわからないのです。Iさんと出逢って2年、好きになってからだと更に短い。私はこれまで、こんなに短期間で諦めようとしたことはなかったのに。

なのに会う時間が近付くにつれて、「好きでいるのは今日を最後にしよう」とか、今まで考えたこともないような言葉が突然頭に浮かんできました。

もしかしたら、無意識に何らかの進展を期待していて、それが叶わなかった時の保険のようなものかも知れない。冷静にそう分析してみるも、その想いを払拭することはできなかった。